『足ることを知る者は富めり。
強(つと)めて行う者は志有り』


老子 (中国・春秋時代の思想家)

「(もっているだけのもので)
 満足することを知るのが富んでいることであり、
 自分をはげまして行動するものがその志すところを得るのである」
                       (小川環樹訳注)

幸せのヒント 「知足と志

 不満を感じることが多い人、幸せを感じられない人は、自分がもっている幸せを見直したほうがいいのかもしれません。
 今幸せになるためには、今もっている幸せを感じるしかありません。

 幸せな事がないという人、将来幸せになりたい人は、自分が幸せになれる目標をもって努力すればいいのでしょう。
 志(幸せの目標)に向かって、自分をはげましつつ行動すれば、希望をもって生きられるでしょう。

 「足るを知る」ことの価値を知り、「志をもって努力する」価値を知るならば、
 「今は幸せ」と思いつつ、さらなる幸せを目指して、イキイキと生活できるのではないでしょうか。

 今の自分がもっているもの(やれる事・まわりの人・物)に満足し、幸せに感じられる人は精神的には豊かであり、たとえ物質的にはそれほど恵まれていなくても幸せに暮らすことができるでしょう。
 物質的・環境的に恵まれていても、自分がもっているものを「当たり前」と思ってしまうと、幸せを感じることはできません。自分がもっているものを不満に思うと、不幸(な気もち)になってしまいます。

 「足るを知る」と言うと、欲望を制限すること・我慢することのようなイメージがある人もいると思います。
 自分が今もっている幸せに気づき幸せを感じられるようになれば、自ずとそれなりの充足感が心の中に生まれるのではないでしょうか。
 それが「足るを知る心」ではないかと思います。

 かと言って、それで完全に満足することは難しいでしょうし、進歩がないのもよくないと思います。
 「今は幸せ」と足るを知り、「でももう少し、幸せになれたらいいな」とわずかでも進歩することを目指して、「ではどうしたら?」と努力できるといいでしょう。

今は幸せ   でももう少し 幸せになれたらいいな  では どうしたら?

 今の幸せを感じつつ、さらなる幸せを求めて生きていけるといいのではないでしょうか。

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