『人に勝つより自分に勝て』

嘉納治五郎 (柔術家・教育者)

幸せのヒント 「自分に克つ

  やろうと思っていてもできないこと、つい怠けてしまうこと、
  こうすればいいとわかっていてもできないこと、
  やってはいけないと思っていてもやってしまうこと、
  (緊張やプレッシャーなどで)自分の力を発揮できないこと、・・・

 自分(の弱い心)に克つことで、ベストを尽くすことが、相手に勝つことにもつながるのではないでしょうか。

 と言っても、心が自分の思い通りにならないこともあります。
 心は自分とは別の生き物(たとえば、乗っている馬のようなもの)と考えたほうがいいのかもしれません。
 馬の基本的な乗り方・操縦法を学び、自分の馬の性格やクセを知り、その時の馬の機嫌や調子を見て、うまく乗りこなせるようになれたらいいのではないでしょうか。

 「自分(の心)とうまくつきあう」というような考え方をしてもいいのではないでしょうか。

 本番で実力を発揮できない大きな原因はプレッシャーでしょう。
 ふだんはできることが、本番では同じようにできないのですから。
 プレッシャーが緊張を生み、自分の能力の働きを低下させるのだと思います。

 一つには、自分の心が生むプレッシャーです。
 「○○(勝利/成功/合格/獲得)しなくちゃいけない」のような、いい結果を求める気もちが強すぎる場合。
 「絶対にミスをしちゃいけない」のような、完璧主義の場合など。
 プレッシャーに輪をかけてしまうのが、失敗やミスへの恐れです。

 もう一つは、まわりからのプレッシャーです。
 見ている人がいる場合、「いいところを見せたい」のような思いがプレッシャーを生みます。見ているのが、多くの人の場合や自分にとって特別な相手の場合には、なおさらでしょう。
 「(誰かからの)期待に応えなくちゃいけない」のような気もちが強い場合にもプレッシャーになります。
 また、失敗したら恥ずかしい、カッコ悪いところを見られたくないのような恐れがあると、なおさらです。

 いずれにしても、プレッシャーを感じてしまうのは自分の心です。心がけによってプレッシャーに打ち克ったりプレッシャーを弱くしたりすることは可能だと思います。
 まずは、プレッシャーを感じている自分に気づき、プレッシャーが「あってもいい(当たり前)」と受け入れられるといいでしょう。

 適度なプレッシャーがいい緊張感を生み、力を発揮できることもあります。
 人の目を意識してカッコつけることで思わぬ力(潜在能力?)を発揮することもあります。ただし、実力のない人がカッコつけてもひどい結果になるでしょう。
 ある程度のプレッシャーは歓迎し、それを楽しめるようになると、なおいいのでしょう。

 問題なのは、プレッシャーが強すぎて実力を出せないことだから、そうならないようにしよう、と考えられるといいでしょう。
 そのための本番での心がけはいろいろあると思います。
 恐れの気もちが強い場合には、恐れているものを覚悟できるといいでしょう。
 工夫しながら自分なりのプレッシャー克服法を身につけられるといいのではないでしょうか。

 人生の中には、「本番」と言えるようなことが時折あるでしょう。
 たとえば、試験、試合、発表、大事なイベント、・・・。
 そういう本番での心がけはいろいろあると思います。

 「頑張ろう」「しっかりやろう」「気合いを入れて」など、精神的な強さを出す言葉。
 「合格するぞ」「勝つぞ」「絶対に負けない」「成功させるぞ」など、いい結果を目指す言葉。
 「積極的にいこう」「まず自分から」「仕掛けよう」「攻めよう」など、前向きな心の姿勢を示す言葉。
 「ベストを尽くそう」「もてる力を出し切ろう」など、全力でやる誓いの言葉。
 「できることをやればいい」「練習どおりに」「練習だと思ってやろう」など、ちょっと力を抜く言葉。
 「落ちついてやろう」「リラックス、リラックス」「一つ一つ丁寧に」「ミスをしないように慎重に」など、緊張や焦りの心を鎮める言葉。
 「集中、集中」「無心で」など、余計なことを考えないようにする言葉。
 「自分を信じて」「自分の努力を信じよう」など、不安を小さくする言葉。
 「楽しもう」など、過程を大切にすることが結果につながるという意味の言葉。
 「見ている人に喜んでもらえるように」「感動を伝えられるように」「楽しんでもらえるように」など、相手を意識した言葉。
 「誰々のために頑張ろう」「誰々への感謝の気もちを表そう」「誰々に恩返しできるように」など、人のために頑張ろうとする言葉。

 他にもいろんな本番での心がけがあるのでしょう。
 それは、人それぞれ、やることによって、その時々、違っていいのだと思います。
 自分が、これをやる時に、こういう場合には、これを心がけるのがいちばん良さそうだ、というものが見つかるといいでしょう。
 そのためには、自分なりに工夫しながら経験を通して身につけていくしかないのではないでしょうか。

more hint! 「自分との付き合いのヒント

「自分を育てる」ことに関する名言

  『進歩向上の比較を他人とするのではなく、過去の自分とする』 多湖輝

  『我が気に入らぬことが、我がためになるものなり』 鍋島直茂

  『偉人のやり方をそのまま真似るというのではなく、・・・』 松下幸之助

  『うまくいかなかった日は、寝る前に自問する』 L・L・コルベルト

  『何も咲かない寒い日は、下へ下へと根をのばせ。やがて大きな花が咲く』



   

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